インド・スリランカの伝統医療「アーユルヴェーダ」にもとづいた、健康的な生活のための指針をご紹介。
- 朝の行動が肝心。一日の活力を
- 消化の良い食事が大切。
- 体質によってはオイルマッサージ等、他の日常活動も
「めちゃくちゃ身体が重い!」「お腹の辺りに不快な気分が・・・」
こんな身体の不調に悩まされていませんか?
では考えてみてください。どんな時に体調の変化は起きやすいですか・・・?
旅行から帰った後。仕事が立て続いたとき。急な人生の転機・・・。

そう、人間の身体は「睡眠」「活動」「消化」など、ある一定のリズムによって動いているもの。
それが崩れた時、異変を知らせるシグナルが身体に表れる。体調不良は生活リズムのバロメーターなのです。
「良い生活習慣が健康をつくる」とアーユルヴェーダでは考えられています。
インドの賢人たちが長年かけて研究した結果をまとめました。ぜひご覧ください。
■目次
健康的な生活リズムは朝につくられる!!
アーユルヴェーダでは起床~朝食までの時間を特に重視しています。
一日のうちもっとも慌ただしい時間ですが、できる限り以下の習慣を取り入れることをおすすめします。
アーユルヴェーダにもとづいた朝の習慣とは!?
朝は日の出前に起きるのが良い、とされています。
休日などついつい寝過ごしてしまうこともありますが、生活リズムを崩さないことが肝心です。
できる限り決まった時間に起床して、プラスのエネルギーを持つとされる朝日を浴びることをおすすめします。
起きたらまず排泄、目や口の清掃で健康のチェックを

できれば起きた直後に腸や膀胱を空にするといいですね。まあ、ここは個人の体質によりけり。
その後、洗面です。寒い時期はぬるいお湯を張ってもいいですね。特に目や鼻の入り口や、口の中のネバネバをしっかり洗い流してください。
舌の汚れ落としには銀のへらを使うのが良い、とアーユルヴェーダの本には書いてありました。まぁそんなものは滅多に手に入らないので、別のもので代用してもいいでしょう。
コップ一杯のお湯。そして入浴かオイルマッサージ
コップ一杯のお湯を飲むことで腎臓や大腸のはたらきを助けることができます。活発な消化活動は一日の気分の良さにつながってきますので、ぜひとも心がけてください。
お湯を飲んだら入浴、あるいはオイルマッサージを行います。ピッタ体質の方は冷たい水でもいいでしょう。カパ体質の方はできる限り温かいお湯に入浴するようにしてください。
時間がない時は洗面から入浴まで一気にすませてもいいんじゃないかなと思います。気分をサッパリさせたらお次はヨガと瞑想です。
生活リズムを整える朝食前のヨガ、あるいは瞑想

入浴がすんだら朝食の前に軽くヨガや瞑想を行います。
「ヨガっていわれてもわからない・・・」という方には“死体のポーズ”がおすすめです。
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手足の力を抜き、肺を大きく伸ばして規則正しく呼吸を繰り返す。これを5分程度行えばよいでしょう。下腹部から腹式呼吸することを心がけて!!
それが済んだら朝食をとります。
逆にカパ体質の方は朝食は抜くか、野菜スープのようなごく軽いものだけで十分でしょう。
一日の食生活にもリズムを。昼食はしっかり、夕食はなるべく早く
昼時は一日でもっとも内臓器官が活発な時間です。昼食を一日のメインと考えてしっかりと取ることが望ましいでしょう(食べ過ぎには注意!!)
夜は消化力の落ちる時間帯です。睡眠時は特に消化しにくくなりますので、夕食はなるべく早い時間帯にとることが重要です。
もしも遅い時間に食べる場合、なるべく消化しやすい柔らかいものを食べるのがいいですね。
眠りが浅くならないよう水分の摂りすぎには注意してください。
アーユルヴェーダにおける食事と消化の関係
「食べたものをすべて消化しきる」ことをアーユルヴェーダは重視しています。
ここで消化しきれなかった食べ物は、腸内で毒素(アーマ)に変わると考えられています。
ムカムカした気分やお腹の不快感はこのアーマによるものです。
毒素(アーマ)を溜めこまず、健康なからだを作るためのあれこれ

まず食べ過ぎ(過食)には気をつけましょう。
食べ過ぎはカロリーだけでなく、胃や腸といった内臓にも負担を与えます。
「胃の三分の一が液体、三分の一が個体、残りの三分の一は空気」
であることが望ましいと言われています。
水分のとりすぎもよくないですね。胃の中で消化液が働いているため、過剰に水分をとると消化が阻害されてしまうのです。
喉が渇いた場合は温かい白湯などを少しずつ飲むことをおすすめします。
長期間の断食は身体によくない
インドに関心を持つ方ですと断食に挑戦する人もいます。
週に一度くらいの断食はアーユルヴェーダ的にも望ましいものですが、長い間食事を絶つと健康を崩すもとになりかねません。
とくに絶食はヴァータを増大させるため、ヴァータ体質の方は控えた方がよいでしょう。
ショウガは消化の促進剤

ショウガは胃のはたらきを助けるスパイスです。
おろしたショウガを小さじ一杯、塩をわずかに加えて食後に飲むと、胃のはたらきを活発にしてくれます。
また、牛乳に黒糖、すりおろしたショウガを加えて飲むと強壮効果もある飲み物となります。特にヴァータの方におすすめします。
飲みすぎ、食べ過ぎなどでお腹に膨満感があるときは重曹がおすすめ
重曹は過剰な胃酸を中和し、腸の働きを活発にする作用があります。
飲みすぎ食べ過ぎで胃や腸に不快感がある場合、コップ一杯の水に重曹ひとつまみ、レモン半分を混ぜて飲むとすっきりとします。
日常生活で役に立つアーユルヴェーダの知恵
日常のいろんな場面で役に立つアーユルヴェーダのアイディアを紹介します。
中には一風変わったものもありますが、すべてアーユルヴェーダの身体観に則ったものです。ぜひ自分で体験してみてください。
健康はバランスの取れた肉体と精神からつくられる
私たちの肉体と精神は密接に結びついています。
簡単に言えば肉体の調子が悪ければメンタルにも悪影響を及ぼし、何かショッキングな出来事があれば実際の体調にも影響する。これがアーユルヴェーダの身体観の基礎となります
ですから以下で紹介するアイディアは、肉体と精神の両面から健康になることを目指しているといえるでしょう。
視力のためには○○を見つめるべし

視力の低下はなぜ起こるのか?というと、それは眼球のピントを調節する筋肉が弱まることが原因です。
毎日、日没前の夕日を5分見つめることで目の筋肉を鍛えることができます。ロマンチックですね。
夕日を見るのが難しい場合、静かな炎や光を少し離れたところから見つめるだけでも同じ効果があります。
注意点としてコンタクトや眼鏡をはずし、裸眼で見るようにしてください。
体内の毒素を洗い流すオイルマッサージ
アーユルヴェーダではオイルを使ったマッサージを重視します。専門的な方法は住宅ではやりにくいので、お勧めの方法をご紹介。
就寝前に足の裏をオイルでマッサージ。あるいはこめかみや額につけると心静まり、ゆったりと眠れるようになります。
ヴァータ体質の場合、入浴後にも薄くオイルマッサージをするとよいでしょう。全身に塗り終わったら紙や布でふき取ってください。
便秘の時は寝る前に、コップ一杯の牛乳にギー(バター油)かごま油を1さじ混ぜて飲むと腸内のマッサージになります。
注意!! アーユルヴェーダで使用するごま油はすべて焙煎していない「太白ごま油」です。

茶褐色をしたごま油は使用しないので気を付けましょう。
その他身体に関するノウハウ
・お腹を下にして寝てはいけない。消化不良をおこします。
・口臭・体臭は便秘や消化不良、口の中の異常、体内の毒素を示す症状です。
・入浴後はよく乾かし濡れたままでいないこと。ヴァータの増加を引き起こします。
・食後すぐ、あるいは生理中のセックスや激しい運動はヴァータの異常につながります。
・何かに強い執着、欲望を持ち続けるとカパの増加を招きます。
・激しい怒り、憎しみはピッタを悪化させ消化不良につながります。
まとめ:生活のリズムが健康にあたえる影響とは
以上、アーユルヴェーダから考える「日常生活の指針」を見ていきました。
結局ここに共通するのは、
「いかに毒素(アーマ)を溜めこまないか」
という話です。アーマは夜のうちにたまることが多いとされているので、
「排泄・入浴・運動」
を朝のうちに済ませることが理想ですね。
・食事と消化の関係
・オイルマッサージ
・精神的なリラックス
これらもアーマの排除と密接に関係するノウハウです。
現代社会ではなにかと生活リズムが崩れることが多いです。体調不良や病気はそうしたすき間を狙ってやってきます。
意識して日常のバランスを保つよう心がけたいものですね。
ってことでこの話はおしまい。
ありがとうございました!!