アグニとアーマ、病気の関係。アーユルヴェーダの生理学とは!?




やあ、天狗堂です。

前回のアーユルヴェーダの推奨食品一覧。ヴァータ・ピッタ・カパに合わせた食事法とは?では、ヴァータ、ピッタ、カパの各体質にあわせて「どんな食品を多めにとるべきか」「逆にどんな食品の摂りすぎは控えるべきか」について説明していきました。

「でも、それってどんな仕組みからそうなっているの?」

「最近○○の調子が良くないんだけど、何か関係する?」

「気分が優れなかったりイライラしたり・・・アーユルヴェーダではどう考えるの?」

こんな疑問が湧いてくるかもしれませんね。

そこで今回は「アーユルヴェーダの生理学」と題して、我々の身体、病気との関係、精神が肉体に及ぼす影響などを見ていきます。

こうした基礎的な仕組みを理解することで、アーユルヴェーダではなぜこの食品や行為を推奨しているのかが把握できると思います。それではいってみましょう!!

はじめに:病気とは体内の秩序の乱れた状態である

さて、アーユルヴェーダでは健康を「身体の秩序が整っている状態」と考えます。

逆に言えば、無秩序な状態があればそこを改善していくことで、心身の健康を取り戻すことができると言えるでしょう。

そして私たちの体内バランスはつねに外部の影響(食事、日光、気温、時間、ストレスなど)を受け続けています。

この外部⇔内部のバランスが崩れると無秩序が発生するというわけです。

健康とは:体内のすべてのシステムがバランスをとれている状態

アーユルヴェーダは身体の秩序を、

・消化の火(アグニ)

・3つのドーシャ

・3つの老廃物(便、尿、汗)

・肉体、心、意識

の観点から分析します。これらシステムの一角が崩れると、他の場所にも影響が現れます。

例えば健康的なバランスを保っていれば、免疫力や自己治癒力も高まります。あるいは身体と心のバランスが崩れると精神的な病気や不安に陥りやすくなります。

病気の分類:起源、症状、因子

まず病気はその起源と症状、そして因子とに分類して考えなくてはなりません。

例えば頭に鈍痛を感じるとしましょう(症状)。しかしその原因を辿っていくと、時には首の凝りや目の疲れが元となっている可能性があります(起源)。

また、それらをより詳しく観察すればそれがパソコン等の使い過ぎ、無理な姿勢から来るものだと判明することもあります(因子)

また、こうした病気の症状は3つのドーシャの乱れからも分類されます。

病気の成り立ち:体質によるかかりやすい病気

人間にはもともと持って生まれた体質(ドーシャ)があります。これは年齢や習慣に影響を受けますが、基本的なところは変わりません。

この体質によってどの病気にかかりやすいかが決まってきます。

ヴァータ体質→ヴァータ過剰による病気。腰痛、関節炎、神経痛、しびれなど

ピッタ体質→ピッタ過剰による病気。胆嚢や肝臓の異常、胃炎、消化性潰瘍、蕁麻疹、発疹など

カパ体質→カパ過剰による病気。扁桃腺炎、副鼻腔炎、気管支炎、肺炎など

こうした疾患はそれぞれ、

・ヴァータ性疾患:大腸

・ピッタ性疾患:小腸

・カパ性疾患:胃

と関係していると言われています。

病気による変化:肉体と意識と感情の関係

続いては肉体と意識の関係を見ていきましょう。

身体の中のドーシャが乱れると、考えのまとまらなさ、歪んだ認識、ネガティブな記憶の想起といった症状が現れることがあります。

これが転じて心の中に怒りや怖れ、不安や執着などマイナスな感情としてして現れるわけです。

また逆に、マイナスな感情がドーシャを乱れさせることもあります。

例えば抑圧された不安や恐怖はヴァータの異常を、怒りはピッタの異常を引き起こし、強欲や嫉妬はカパを悪化させると考えられています。

あるいはドーシャの乱れがまず肉体の症状として現れ、それが心や意識に影響を与えることもあります。

・ヴァータ→神経痛や冷えから抑うつや神経過敏

・ピッタ→皮膚のかゆみや胃のムカつきからイラつきや嫉妬

・カパ→息苦しさや身体の重みから執着や停滞感

このように食事や習慣(ドーシャのバランス)と、肉体的な症状、精神面の状態は密接に関係しています。

健康と病気をわけるもの:アーマとアグニ

ドーシャと肉体的な症状、そして心理の関係を見ていきました。しかしこれらはどんな原理によって身体を媒介しているのでしょうか?

アーユルヴェーダではこれを「アーマ(毒素)」と「アグニ(消化の火)」の2つによって考えます。

まずアーマはヴァータ、ピッタ、カパのバランスが乱れている時に発生し、体内を巡ります。

全身に回ったアーマは身体の弱っている場所にたまり、病気を引き起こします。例えば関節が弱ければそこにアーマが溜まり、関節痛等を引き起こすのです。

このアーマが作り出されるのは消化器官中のアグニ(消化の火)が弱まった時です。

そもそもアグニは人体の代謝を支配する生物学的なエネルギーで、体内では消化や代謝の触媒としてはたらく必須の要素だと考えられています。

アグニはピッタ的な酸性であり、食物を溶かし消化を促す作用があります。

またそれぞれの細胞にもアグニが存在し、組織の栄養を維持したり生体の免疫機構を支えているのです。

アーマの発生:アグニが弱まった時に起きること

このアグニのはたらきが弱まると消化力が低下します。体内で消化しきれなかった残留物は、大腸付近に溜って、悪臭を放ち腸にくっついて離れない物質となります。これがアーマです。

アーマは腸や毛細血管をふさぎ、また血液中から循環器にも入りこみ悪影響をもたらします。

最終的に体内の弱い部分に蓄積することになり、臓器の収縮や閉塞を引き起こし、免疫を弱めることにつながるのです。

ところでこのアーマはアグニが衰えた時に発生します。ですが、アグニが働きすぎてもいけません。胃酸過多や胸やけ、さらに栄養素が消化の過程で燃え尽きてしまうこともあるのです。

抑圧された感情:精神が肉体に及ぼすはたらき

時には精神的なはたらきがアーマをつくることもあります。

例えば抑圧された怒りはピッタを悪化させ、胆嚢や胆管の環境を変えてしまい、胃や小腸にも炎症をおこすようになります。

同じように不安や怖れも大腸の環境を変えてしまい、腹痛や下痢を引き起こします。

このように、抑圧された感情はしばしば良くない影響を身体に引き起こします。ですので感情や咳、くしゃみ、排ガスなどの生理的欲求も我慢しないことが良いとアーユルヴェーダでは考えられています。

さらに感情を抑圧するとヴァータが著しく増大します。これによって体内のアグニが弱まった結果、免疫機能が弱まり風邪などを引きやすくなります。

アレルギー:免疫機能とドーシャの関係

アレルギーは体内の免疫機能と密接に関係しています。免疫機能に何らかの異常があると、しばしばアレルギーに悩まされることになります。

例えばピッタ体質の人はピッタを悪化させるような食物、熱性でスパイスの利いた食べ物に敏感です。

同じように怒りや悩みでピッタが増大すると、ピッタに悪影響のある食物に過敏となります。

カパ体質の人は乳製品などカパを悪化させる食物に敏感な傾向があります。そのような食品を摂りすぎると咳や風邪、鼻詰まりなどを引き起こしやすくなるのです。

終わりに:感情の発散は健康に有用

私たちの身体は多くの要因のバランスを保って存在しています。つまり肉体のみならず心の状態も視ていかなければ本当の健やかさは得られません。

そこでアーユルヴェーダではネガティブな感情に拘泥することなく、発散させることを肯定しています。

感情を抑制しすぎれば精神的な不調を引き起こし、それは実際に痛みやめまいとして人体に害を与えるからです。

自分の欲求を溜めこまず、適度に発散させることが健康の秘訣だと言えるでしょう。

では今回はこのへんで。ではでは~(*´▽`*)







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