ハウスの特徴を6つに分類。インド占星術とハウスシステム




やあ、天狗堂です。

インド占星術シリーズ、第5弾!!

さて、前回までにインド占星術の歴史黄道十二星座惑星とその象意ホロスコープの作成ソフトについてご紹介しました。

今回は星座と惑星に並んで重要な概念「ハウス」について見ていきましょう。

インド占星術は大ざっぱに言って、このハウスと星座、惑星の組み合わせを見ていくことで個人の運命を観察する技法です。

この3つをざっと頭に入れておくことが重要ですね。個々人のホロスコープを見ていく上で何度も読み返すことになるでしょう。

ハウスってなんだろう?

ハウスとは大雑把に言えば「ホロスコープ上の部屋番号」です。

まずはこの図を見てください。

ホロスコープ作成時にアセンダント(生まれた瞬間の東の地平線を延長して、黄道と交わる点)が決定します。

この図の場合だとおとめ座の位置にアセンダントがありますな~

ここを起点として1ハウス、2ハウス、3ハウス…とハウスが決まります。

インド占星術ではこのように、星座とハウスが一致しています。これを「ホールサイン」と呼びます。

ハウスシステムについて

さて、このホロスコープの部屋番号「ハウス」には番号ごとの意味があります。これを「ハウスシステム」と呼び、インド占星術では重要な概念です。

星座が宇宙や世界など外部の世界を表すものだとしたら、ハウスは人間関係や金運、健康など内の世界を象徴します。

ハウスは全部で12ありますが、その一つ一つに誕生や死など人生のさまざまな期間が当てはまるようになっているのです。

惑星とハウスの関係

例えば月は母親を象徴する惑星です。同じように4ハウスも母親という象意があります。

このように惑星とハウスで同じ象意を持つものについては、インド占星術の場合ハウスの方を重視します。

分類について

ハウスには重要なものとして、トリコーナ・ケンドラ・ウパチャヤ・ドシュタナ・マラカ・中立の6つの分類があります。

この分類は惑星がもたらす影響に関わるもので、ホロスコープの吉兆を見るのに重要です。

この判断をしっかりと理解することがマスターへの近道となるでしょう。

トリコーナ・ハウス(1、5、9ハウス)

トリコーナハウスは別名「ラクシュミースターナ」とも呼ばれ、過去のカルマによる幸運を意味します。影響の強い順番に9→5→1ハウスとなります。

トリコーナハウスが及ぼす影響はきわめて強く、ここを支配/在住する惑星は凶星であっても良い働きをもたらします。

このように生来的凶星(火星や土星)であっても、ハウスの影響によって良い働きをもたらす状態を機能的吉星と呼びます。

なお、トリコーナハウスに多くの惑星が集中すれば、宗教性や道徳性が高くなる傾向があると言われています。

ケンドラハウス(1、4、7、10ハウス)

別名「ヴィシュヌスターナ」とも呼ばれ、このハウスに在住する惑星は強い影響力をもたらします。

<在住> 惑星がこのハウスに在住すると良くも悪くも強い影響力を及ぼします。その影響力は強い順に10→7→4→1ハウスとなります。

このハウスに多くの惑星が集中すれば吉凶関係なく影響力が強くなるため、特徴ある、目立った、悪く言えばクセのある人物となります。

<支配> このハウスを支配している惑星は、本来持っていた吉凶を中立化するはたらきがあります。

たとえば木星、金星、水星がこのハウスを支配する場合吉意が弱まり、火星や土星が支配する場合は凶意が弱まります。

ウパチャヤハウス (3、6、10、11ハウス)

<在住> このハウスに在住する惑星は「苦難をもたらす」はたらきがあります。ですがそれは永続的なものではなく、努力することで改善するものです。

ウパチャヤハウスに凶星が集まると激務に消耗する傾向があります。逆に吉星が集まると争いごとを好まず、どちらかというと消極的なタイプとなります。

<支配> ケンドラハウスである10ハウス以外、つまり3、6、11ハウスは支配する惑星にとって凶意が強くなります。

このような凶ハウスを支配することで一時的に凶星のようなはたらきをする惑星を機能的凶星と呼びます。凶意の強い順番に11→6→3ハウスです。

ドゥシュタナハウス (6、8、12ハウス)

<在住> このハウスに在住する惑星はマイナスの影響をもたらすようになります。その困難さの強さの順に8→12→6ハウスとなります。

このハウスに多くの惑星が集中した場合、異端性の強い分野でなら成功をおさめるでしょう。

<支配>ドシュタナハウスのうち、6ハウスは機能的に凶星化します。8、12ハウスは中立となり、支配することによるプラスやマイナスの変化はありません。

ですが二つの星座を支配する惑星(火水木金土)が、8ハウスか12ハウスを支配すると同時に他の凶ハウスを支配する場合は強い凶星として働きます。

ドシュタナハウスの注意点
ドシュタナハウスに在住する惑星が、トリコーナハウスを支配していれば良い運を得られることができます。6ハウスなら医療やサービス、8ハウスなら研究、占い、12ハウスなら海外、裏方の仕事などに良い運を得ることができます。

マラカハウス (2、7ハウス)

寿命に関係するハウスです。強さは順に2→7ハウスとなっています。このマラカにはいくつかの法則があります。

・太陽と月はマラカにならない(諸説あり)

・ケンドラハウスを「二つ」支配する水星と木星、トリコーナハウスを支配する機能的吉星はマラカとならない

・3,6,8,11、12ハウスを支配する土星は、2,7ハウスの支配星と関連するともっとも重要なマラカとなる

中立ハウス (2、8、12ハウス)

惑星の強弱に特に影響を与えないハウスです。在住することによるプラスマイナスはありません。

<支配> 太陽と月以外は2つの星座を支配するので、同時に支配しているもう一方のハウスに影響されます。

【ハウスの分類と吉凶一覧表】

分類 吉凶 ハウス
在住 支配
トリコーナ 1、5、9
ケンドラ 吉星✖凶星〇 1、4、7、10
ウパチャヤ 吉星△凶星〇 3、6、10、11
ドシュタナ 6、8、12
マラカ 2、7
中立 2、8、12

ハウスと人生時期との対応、ハウスが持つ象意について

ハウスには生まれてから死ぬまでを12ハウスに対応させるという考え方があります。その順番は、

1.誕生 → 2.家庭・衣食 → 3.訓練・努力 → 4.人生の基盤を築く → 5.学習・理想 → 6.障害や病 → 7.人間関係を築く → 8.悩む → 9.精神性に目覚める → 10.社会的な活動 → 11.達成 → 12.死 → 1へ戻る

となります。これを見ればハウスの象意が覚えやすくなるでしょう。

1ハウス(アセンダント):生まれた環境

アセンダント(ラグナ)が位置する1ハウスは、自分自身、自我、身体、生まれた環境をあらわします。開運においてこのハウスこそがホロスコープ中でもっとも重要です。

1ハウスのもたらす影響

アセンダント(ラグナ)のあるハウスを支配する惑星はラグナロード(1室支配星)と呼ばれます。

健康:ラグナロード(1室支配星)が凶星にコンジャクトされるか、または、8、6、または12室に在住するならば、健康面で問題が生じやすいです。またラグナロードガがケンドラ/トリコーナに在住するならば、体の健康は良く保たれるでしょう。

容姿:1ハウスに吉星が在住していれば容姿に恵まれる傾向にあります。逆に凶星の場合は容姿を損なうこともあります。あるいはラグナが吉星とアスペクト/コンジャンクションしている場合は、身体に関して恵まれることになります。

その他:ラグナロード(1室支配星)または水星・木星・金星がケンドラ/トリコーナハウスに在住していれば、その人は長寿や財産、能力、人脈に恵まれやすいでしょう。

ハウスの分類:トリコーナハウス、ケンドラハウス

人生の方向性:ダルマ(精神性のハウス)

象意:本人、性格、幸運・不運、名声、平和、豊かさ、健康、自尊心、出生地、家計、家柄、身体、頭部

2ハウス:財産

財産を象徴するハウスです。所有や蓄財、身体への資本として飲食等も象徴します。また、生まれて以後の環境や身近にいる人々(家族)、言葉や弁舌もこのハウスの担当です。

2ハウスのもたらす影響

:2ハウスに火星が在住すると口が悪く、声が大きくなる傾向にあります。土星が在住すれば嘘をつきやすく、木星が在住するとよい言葉を話す傾向にあります。金星が在住していたならば美星、あるいは歌が上手くなります。

味覚:2ハウスは口の象意でもあります。火星が在住していれば大食家・辛い物好きに。土星かケートゥが在住すれば少食になります。またラーフが在住すれば大酒のみ、金星在住なら美食家になります。

健康:生命の本質を表す8ハウスから8番目が3ハウスになります。(後述のハウスの前後関係による象意を参照)その一つ手前である2ハウスは「生命を失う=死のハウス」と言われています。この星の時期には健康問題、死に関連する事象が起きやすくなるとされています。

ハウスの分類:中立ハウス・マラカハウス

人生の方向性:アルタ(財産のハウス)

象意:家族、家庭、商売、収入、利益、財産、富の蓄積、飲食、言葉、スピーチ、会話、右目、顔(鼻、口、喉、顎)

3ハウス:努力

努力や訓練を象徴するハウスです。子供の時分に興味を示すもの、行動範囲、集中力や精神力、勇気もこのハウスが司ります。また、幼いころから身につけるコミュニケーションや表現を表すハウスでもあります。

ですから、第3室は、労働、トレーニング、勇気、努力、兄弟(←年下)を意味します。また、2室の“声”から発展し、コミュニケーションや様々な“表現”の室でもあります。

3ハウスのもたらす影響

表現:3ハウスや3ハウスの支配星が、5ハウスの支配星や金星、水星、木星と絡むと芸術的、文化的才能に恵まれるとされています。

社交性:吉星、特に金星が絡むと社交的な性格になりやすいとされています。

安定性:次の4ハウスは出生地や家庭の象意があるため、その一つ手前の3ハウスが悪ければ旅や移動、不安定な人生といった傾向になりがちです。

ハウスの分類:ウパチャヤハウス

人生の方向性:カーマ(感覚的欲望のハウス)

象意:弟、妹、努力、訓練、トレーニング、勇気、精神力、集中力、旅行、短距離の移動、近所の人、文筆、音楽、ダンス、本人の寿命、死因、愛国心、隣国、腕、肩、右耳

4ハウス:母親

母親や家、生活、快適性を象徴するハウスです。生活力の土台、家庭の教育や学校の教育、心の安定なども象徴します。このハウスに吉星が在住すれば、車や家などの資産に恵まれるでしょう。

4ハウスのもたらす影響

仕事:4ハウスの支配星が10ハウスと関係すると不動産、建築業と関連しやすくなります。

居住地:4ハウスの支配星が3、12ハウスに入ると、生まれた場所から離れたり、引っ越しの多い人生を歩みがちです。また4ハウスに火星が在住すると、家庭のトラブルや生まれた土地に馴染めないなどの問題が起こります。

教育:5ハウスは高度な教育を表し、その土台となるのが4ハウスです。すなわち4ハウスは基礎教育の良し悪しを左右します。

母親:4ハウスは母親を表すハウスでもあります。4ハウスに凶星が在住、あるいは支配星が凶星ならば何らかの問題が発生しがちです。特に火星が在住すれば威圧的な母親とトラブルに陥りがちです。

ハウスの分類:ケンドラハウス

人生の方向性:モクシャ(解脱のハウス)

象意:母親、家庭、土地、建物、家具、乗り物(車、飛行機、船舶)、幸福、記憶、知識、基礎教育、農業、議会、野党、胸部、肺

5ハウス:創造

創造性やオリジナリティを象徴するハウスです。4ハウスにおける基礎教育を土台に、自分の考えや意見を主張することに関係します。

また青年期においては教育や恋愛を意味し、成人~中年期においては子供を、壮年期以降は精神的な鍛錬と充実を意味します。

5ハウスのもたらす影響

子供:5ハウスの在住惑星/支配惑星の吉凶により子宝の恵まれやすさが左右されます。特に火星が在住/支配している場合は子宝に恵まれにくい傾向にあります。

5ハウスの支配星が6,8,12ハウスに在住する、あるいは

5室支配星が6、8、または12室に在住するならば、子供たちがいないでしょう。5室の支配星が燃焼するか、凶星とコンジャクトするか、弱い場合も子供がいないでしょう。

ハウスの分類:トリコーナハウス

人生の方向性:モクシャ

象意:子ども、想像、高等教育、知能、才能、文学、哲学、芸術、恋愛、威厳、宗教的実践、マントラ、投機、首相、腹部(胃)、心臓

6ハウス:争い

争いや競争を象徴するハウスです。5ハウスの意見や考えを主張すれば時にぶつかり合いが生じます。ストレスや病気、事故、試験や選挙などもこのハウスに関係します。

ハウスの分類:ウパチャヤハウス

人生の方向性:アルタ

象意:敵、部下、親戚、争い、病気、事故、訴訟、試験、競争、選挙、労働、借金、サービス、腹部(腸)

7ハウス:パートナー

配偶者、パートナーを象徴するハウスです。6ハウスで社会の荒波にもまれた若者も、やがて人生のパートナーに巡り合うかもしれません。この場合のパートナーとは配偶者のみならず、仕事のパートナーや生涯の相棒も含まれます。

ハウスの分類:ケンドラハウス、マラカハウス

人生の方向性:カーマ

象意:配偶者、結婚、セックス、ビジネスパートナー、対人関係、社会的名声、記憶喪失、腰腹部、泌尿器、生殖器

8ハウス:苦悩

苦悩や探求のハウスです。6ハウス、7ハウスで巡り合う縁の間にも様々な摩擦がおこります。人生の途上では病気や事故に苦悩することもあるでしょう。この時、堕落や恨み、犯罪の道に進む方もいれば、人生の真の意義を模索し追求する方もいます。

ハウスの分類:ドシュタナハウス、中立ハウス

人生の方向性:モクシャ

象意:本人の寿命、研究、秘密、突然、不規則、トラブル、遺産、名誉の失墜、罪、罰、残酷な行為、精神的苦悩、慢性病、ヨガ、占い、瞑想、死因、外部生殖器

9ハウス:父親

父親や宗教を象徴するハウスです。8ハウスの経験は心や精神性、考え方を向上させるきっかけともなります。不徳、悪徳はその清算を迫られ、逆に善徳を積み重ねていくことで正しい道へ導かれていきます。

ハウスの象徴:トリコーナハウス

人生の方向性:ダルマ

象意:父親、グル、幸運、高度な知識、慈善、宗教、信仰、献身、善徳、巡礼、長距離の移動、外国、大臣、腰(腸骨の両側)

10ハウス:天職

天職や天命を象徴するハウスです。9ハウスで心を成長させた人物は信頼や信用を得て、責任ある地位や社会的責任が課せられます。職業だけでなく一生をかけて追及すべき目的も象徴しています

ハウスの分類:ケンドラハウス、ウパチャヤハウス

人生の方向性:アルタ

象意:上司、転職、天命、社会的使命、専門職、名誉、地位、社会的行動、社会的影響力、権力、政府、与党、太腿、膝

11ハウス:利益

願望成就や利益を象徴するハウスです。10ハウスの天職や天命はさまざまな利益をもたらします。金銭的な利益のみならず、名声や支援者も集まることでしょう。

ハウスの分類:ウパチャヤハウス

人生の方向性:カーマ

象意:兄、姉、友人、支援者、定期的な収入、利益、社会的評価、成功、勲章、願望成就、才能を生かす手腕、すね、左耳

12ハウス:損失

消費や損失を象徴するハウスです。11ハウスで得た金銭はいずれ消費され、肉体の衰えとともに最後は隠遁生活に入ります。そして最終的には肉体を離れ、次の転生先へと旅立ったいきます。

ハウスの分類:ドシュタナハウス、中立ハウス

人生の方向性:モクシャ

象意:損失、出費、投資、負債の返却、寄付、現世からの離脱、苦悩からの解放、出家、隠蔽、投獄、入院、異郷の地、外国、海外移住、死、左目、足首から下全部

ハウスの前後関係による象意

インド占星術において、ハウスには様々な意味が含まれています。その中でも特に重要なものを3つご紹介します。

1、基準となるハウスから2つ先のハウスは、基準となるハウスから得る評価を表わす

この並びは非常に分かり易い例ですね。

自我の芽生えから基礎的な教育や好奇心、集中力を表わす3ハウスは、高度な教育や才能、創造性を表わす5ハウスの土台になります。

その結果として配偶者や社会的名声、対人関係を表わす7ハウスに結実するわけです。

2、基準となるハウスから12番目、つまり1つ前のハウスは、基準となるハウスのテーマを失う、損失するハウスである

8ハウス、9ハウス、10ハウスの関係で見てみましょう。

8は苦悩のハウスであり、ここを乗り越えた人は人生への深い洞察力を持ちえます。しかしここで挫折すると悪徳、犯罪、精神的苦悩の方面へ流れるようになります。

この8ハウスで挫折した結果、次の9ハウスのテーマである善性、徳性を失うことになります。そして善性や徳性を失い不道徳な行為を積み重ねた結果は、次のハウスに持ち越されます。

10ハウスは仕事のハウスであり、名誉や地位を象徴します。9ハウスで社会的、人格的に成長があれば責任ある地位や名誉に恵まれますが、逆に不道徳な行為を重ねていればいつか失墜の時期は巡ってくるものです。

3、基準となるハウスからその数だけ進めたハウスは、基準となるハウスの本質を表わす

カーマトライン(感覚的欲望のハウス)の最初である3ハウスは自我の芽生えや好奇心等を表わします。

この3ハウスにその数3を足した6ハウスは、競争や争い、事故などを表わします。好奇心や自我、勇気や精神力は人生を切り開くのに欠かせないものですが、その本質として争いを招く宿命にあると言えるでしょう。

この6ハウスにその数6を足した12ハウスは損失や出費、あるいは隠遁的なものを象徴します。どれだけ競争に打ち勝ち社会的地位を勝ち取ろうと、最終的に人は老い、第一線から離れていく宿命にあると言えるでしょう。

ハウスの特徴は実際にホロスコープを用いて憶えるのがよいでしょう

以上がハウスがもたらす影響の一覧です。とはいっても全部を暗記する必要はありません。

実際にはホロスコープを用いてモデルケースを何度も鑑定していくことで、自然とハウスの特徴も憶える形になります。

大まかな特徴を頭に入れたら、次は実際の鑑定に移りましょう。

ってことで今回のお話はここまで!!ではでは~(`・ω・´)ゞ







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