価値観を相対化しよう。自己肯定感を養う『ブッダと魔王の対話シート』




やあ、天狗堂です。

「自分が存在することに罪の意識を感じる」「自分なんて何の役にも立たないんだ」

なぜだかこんな気分になることってありませんか?こうした負の感情には自尊心、あるいは自己肯定感の欠落が関連しています。

この欠落が外に向かうと【自慢話ばかり・他人を批判したがる・人からどう見られるのか気になる】というパターンになります。

逆に欠落感が内に向かえば【すぐに諦める・自己をわざと傷つける・誉められても信じられない】となります。

こうした自己肯定感の欠落をどう埋めればいいのか?そこでこの記事では「自尊心の欠如の原因」を探り、その根本にあるものを相対化する方法を用意しました。

題して「ブッダと魔王の対話シート」。ペンと紙一枚で手軽に行える方法です。

ぜひご覧になって試してみてください。

ブッダと魔王の対話シートダウンロード(PDF)

自尊心はどこから来るか? あるいは自己欠落感は?

まず最初に《自尊心がある状態》《自尊心が欠けた状態》は質の異なるものだと考えてください。

基本的に自己肯定感は「他の何かに紐づけられていない状態」です。

仕事で成功を収めている、異性からモテる、豊かな暮らしが送れている――こうした状況に満足し、自らの価値を実感する人もいるでしょう。

ですが反対に、いくらお金があっても不安でたまらない、異性と次々に交際しては別れてしまう、今の暮らしが脅かされるのではと不安になる――という人も世の中にはいっぱいいますよね?

つまり「何らかの価値=自己肯定感」ではないのです。

逆にこうした価値をほとんど持たずとも毎日を穏やかに暮らす人もいるわけです。言ってみれば自己肯定感の本質とは「(適切なレベルでの)根拠のない自信」と考えられます。

価値とはむなしいものである

では自己肯定感が欠けた状態とはどういう状況なのか?

簡単に言ってしまえばこれは「何らかの価値に焦点を当てている→それが足りないからと《自分そのもの》を否定している」常態だと言えます。

人はさまざまなものに価値を見いだしますよね。お金、家族、社会的地位、能力、学歴、交友関係etc。で、これらのものは究極的には終わりのないものです。

自己肯定感が低い人というのは何らかの理由でこれらの価値に縛られている状態です。たとえばお金に多大な価値を見ている人は豊かでない「自分を」肯定できない。あるいは過去に貧しかった自分を払拭しようとこれ見よがしな自慢に走ってしまう。

簡単に言えば価値にがんじがらめになっている。そしてその欠如を自分の存在と結びつけてしまうから苦しむことになるわけです。

自己肯定感を養うための方法

つまるところ自己肯定感を養うには「自分が縛られている価値観」を相対化すればいいわけです。これがほぼ唯一の道です。

「なるほど。たしかに一理あるかもしれない。けれど生まれてこの方身につけてきた価値観からどうやって離れればいいの? そんなこと不可能だよ」

そんな疑問が浮かぶことでしょう。

自分の価値観から離れる方法の一つに「対話」があります。Aがその価値観に基づき強烈に批判を行う。一方でBはその価値観を相対化する返答を返す。

これを繰り返すことで「あなたがそれまで縛られてきた価値観は絶対的なものではない」ということが(身体的・根本的なレベルで)理解できることでしょう。

対話を埋めていくことで価値感が相対化される

しかしこうした対話を行うには信頼できる専門家の助力が必要ですよね。けれどお金も時間もない…という時に役立つのが自己理解のためのワークシートです。

今回用意したのは「ブッダと魔王の対話シート」。これはお釈迦さまが悟りを開くための瞑想をしていた時、マーラ・パーピーヤスという魔王が邪魔をしようと試みた…という逸話から来ています。

(この逸話は降魔成道と呼ばれています。詳しくはお釈迦さまは成道した夜、何を悟ったのか?をご覧ください)

あなたはこのシートで、魔王とブッダ(釈迦)の二役を演じることになります。

心を折ろうと否定の言葉を投げつける魔王。それに対しブッダは何と答えるでしょうか?

対話の型はあらかじめ用意していますので、あとは説明に従って「あなたが縛られている価値観」を穴埋めしてみてください。

対話シートの取説

対話シートは上下で二つに分かれています。

上の部分には「あなたが感じたこと、思ったこと」をそのまま書き出してください。このパートはあなた自身が主役です。あなたが感じたことや気分、その時どういう価値観に従っていたかを分析することが狙いです。

そして下の部分は「ブッダと魔王が対面し、やり取りを行う」パートです。

あなたはここで、上のパートで分析した価値観をもとに「魔王なら何というか?」「お釈迦さまならどう答えるだろう?」と考えながら書きこんでください。文章が変に思えても構いません。

肝心なのは「あなた自身を離れ、ブッダや魔王になった気分で書くこと」です。それでは各箇所の説明をしましょう。

状況、その時浮かんだ考え、そこに含まれる価値観

まずは上のパートの説明です。

状況の欄には「あなたが自分を無価値だと思った時の状況」をなるべく具体的に書きこんでください。たとえば、

・朝の満員電車に乗っている時にふとつらくなった。その日は一日中気分が滅入っていた

と書きます。

つぎに「その時浮かんだ考え」の欄には、あなたがどんなことを考えていたのか最初から最後まで書きこんでください。例えば、

・みんな仕事ができそうで自信のある顔つきをしている。自分はどうだ?まったくの最低だ。どうして世の中は不公平なんだろう?自分なんていなくなった方がいいんだ。

と書きこみます。

次の「そこに含まれる価値観」は、あなたの考えたことはどんな価値観に基づいているかを抽出する作業です。これも例を挙げると、

・仕事ができるかどうかで人の価値は決まる

・世の中は生まれつき不公平である

といった価値観が含まれていると言えるでしょう。

魔王の問いかけ①とブッダの答え①の説明

この欄には上で挙がった考えや価値観を参考に、ブッダになったつもりで書きこんでください。

・そなたは〔仕事のできない自分に価値はない〕だと考えているはずだ。何とも不幸な人間か!

・そう、自分はたしかに〔人と比べて仕事でよくミスをする〕と考えていた。だが〔赤の他人と比べている〕だとしてわたしに何の影響があるのか?

・私は自分を価値づけるものが何もないと気づいたのだ。だから私がたとえ〔仕事ではちょっとしたミスをする〕だとしても、私の心は〔ミスは誰にでもあるという心境〕である。

魔王の問いかけ②とブッダの答え②の説明

ここでは焦点となっている価値観を過去どのように思っていたかについて書きこんでください。

・そなたはかつて〔会社で頭角を現して周囲に差をつけたい〕を望んでいたではないか。そなたは挫折した、哀れな存在なのだ!!

・そう、私はかつて〔仕事で他人より優秀でありたい〕を望んでいた。しかしそのような価値は時間とともに変化するものである。その程度のものだ。

・従って〔かつて周りを見下そうと考えていたこと〕は私に何の影響も与えない。過去がどうあろうと私の心は〔自分のペースで仕事をすればいい〕である。

魔王の問いかけ③とブッダの答え③の説明

ここで魔王は現状について問いかけます。ブッダはどんな反証を行うのか書きこんでください。

・しかしそなたの現状は〔仕事の評価はいま一つ〕だろう。そのような状況では自分を〔優秀な人間だと考える〕ことはできない。

・たとえどんな状況だろうと〔評価と自分の存在を結び付けない〕たることはできる。そのような価値観と私の心の平穏は無関係である。

・たとえ〔思ったような活躍ができない〕であれ不合理な考えに沈溺しなければ心は平穏である。私という存在は〔仕事ができる人間こそ優秀という価値観〕程度で貶められるものではない。

魔王の問いかけ④とブッダの答え④の説明

ここは自由記入欄となります。魔王はどんなことを問いかけてくるでしょうか?ブッダはそれにどう答えるでしょうか?

今までのやり取りから想像して自由にお書きください。

魔王の問いかけ⑤とブッダの答え⑤の説明

こちらで最後の設問となります。ブッダは魔王の否定をどう返すでしょうか?

・そなたに価値はない!誰もお前のことなど認めるものか!

・たとえ誰が認めなくとも私は〔私のことをけっこう気に入っている〕である。私は私の親友に〔楽しく過ごしてもらいたい〕と接するように自分にも接する。

・有り余る富や高い身分になくとも、私は〔自分の存在を卑下しない〕である。魔王よ、去りたまえ。私はそなたに損なわれることはない。

劣等感と価値の相対化。まずはシートに書きこんでみよう!

以上が「ブッダと魔王の対話シート」の説明です。

繰り返しますが自己肯定感が低いのは何らかの価値に執着していることが原因です。価値のあるなしがあるからこそ、それが手に入らないと劣等感を感じてしまうのです。

基本的にこうした渇望は「他のものと比較している限りいつまでも止まることはない」ものです。そこで価値そのものを相対化して眺めることが重要になります。

このシートはあなたの囚われている価値をうまく相対化できるよう工夫しました。これを続けていくことで、あなたを縛る鎖から少しずつ自由になっていくことと思います。

ってことで今回のお話はここまで!ではでは~(*´▽`*)

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