やあ、天狗堂です。

「何かもやもやした不安があるけど、それが何故なのかわからない。毎日が憂鬱だ…」
そんな時は「紙に書きだす」ことがおすすめです。けれどどんな形にまとめればいいのか…?
そこでこの記事では3つのワークシートを用意しました。このワークシートの流れに沿って書き進めれば、
・あなたの不安や憂鬱がどこから来ているのか?
・その根拠は?別の視点から見た場合は?
・より柔軟で現実的な考え方はどんなものだろう?
これらが明確になるよう作られています。
認知療法という考え方をもとにしたワークシートですが、うつ病など精神的な疾患以外にも様々な場所で応用が効くものです。ぜひご覧になって実際に書き進めてみてください。
■目次
マイナスの悪循環を断ち切るために
さて、人はストレスがたまると一つの考えに囚われてしまいます。すると気持ちは楽にならないし、効果的な解決法を見つけることもできません。
そこでまずはマイナス思考になる要因を明らかにし、そこから「より現実的で妥当な考え」を模索していきます。
そう、無理にプラス思考になる必要はないのです。「ポジティブに考えられない自分はダメな人間だ・・・」なんて落ち込む必要はありません。
目標とするのは人生を過ごしやすい「やわらか思考」です。ぜひこうした思考でやっていきましょう。
ワークシートを用いることで憂鬱の正体が明らかになる
ではワークシートの流れを説明しましょう。
1:つまづきポイントチェックシート

まず第1の「つまづきポイントチェックシート」では、あなたの憂鬱や不安を分析し、その中核にある「つまづきポイント」を知ることが目的です。
つまづきポイントとは、あるがままの現実とあなたの考えの狭間にある分岐点です。うつ病等の状況にあるときはこの分岐点がひどくネガティブな方向に切り替わっているため、どんな現実を見ても不安や憂鬱な気分になってしまうのです。
つまづきポイントについての詳しい説明は人生の悩みや迷い、その心配を徹底的に取り除く10の考え方もご覧ください
①ネガティブな気分になった時の状況を思い出し
②その時の気分はどんなものだったか書き出す
③その時どんな考えが頭の中に浮かんでいたかを書き出す
④そこに含まれる「つまづきポイント」が何であるかを知る
という流れになっています。ここまでが第1のワークシートです。
2:脳内裁判チェックシート

第2の「脳内裁判チェックシート」では、あなたの頭に浮かんだネガティブな考えに対し根拠と反論を加えることで、凝り固まった思考を相対化することが目的です。
最初に①状況、②気分、③その時浮かんだ考えを書きこみ
つぎに③の考えを補強する④根拠を書き出す
最後に③と矛盾する⑤反論を書き出す
あなた自身が検事役、弁護士役の双方を経験することで、同じ現実に対し正反対の見方ができるようになることが狙いです。
3:やわらか思考チェックシート

第3の「やわらか思考チェックシート」では、第1、第2のチェックシートで得られた視点をもとに、より柔軟で現実的な考え方ができるよう挑戦することが狙いです。
④根拠と⑤反論で得た考えをもとにして、
・親しい人が同じように考えていたらどうアドバイスするか?
・最良と最悪のシナリオがあるとして、一番現実的なシナリオはどんなものか?
・④根拠と⑤反論のいいとこ取りをしたらどんな考え方ができるだろうか?
といった思考を書き出します。
最後に⑦心の変化を書き出すことで、あなたの心境に役に立ったかどうか分析します。役に立ったと思うならその考え方をつづければ良し、役立たなかったと思うなら、また別の視点から考えてみると良いでしょう。
1:つまづきポイントチェックシートの取説
では第1のつまづきポイントチェックシートの解説からはじめましょう。
ここではあなたの不安や憂鬱の核になる「つまづきポイント」を洗い出します。つまづきポイントとは心のクセのようなもの。このクセがあなたの気分をネガティブなものへ分岐させてしまうのです。
習うより慣れる方が早いですから、実際にシートに取り組んでその効果を確かめてみてください。
つまづきポイントチェックシートに書きこむべきこと

①状況:この欄には不安を感じたり実際に気分が落ち込んだ時の状況を書きこんでみてください。ここは具体的に記入するのが大切です。
いつ、どこで、何をしたか?その時の人間関係、順序やできごとを思い出して書いてみてください。
②気分:その時感じた気分を選び、その強さがどれくらいのものか0から100%で表してください。欄にあるもの以外の気分を感じていたならそれも書き足してください。
③その時浮かんだ思考:ここには②を感じた時に頭の中で思い浮かべていた思考を書き出してください。あなたがネガティブな気分になった場合、おそらくはその思考が関係しているはずです。
これをできる限り逐語的に表現してみてください。
④つまづきポイント:③で浮かんだ思考を10のつまづきポイントに照らし合わせ、該当するものがないかチェックします。
当てはまるものがないかチェックしたら、その理由を簡単に書き足してください。
2:脳内裁判チェックシートの取説
さて、第1のチェックシートでは「あなたが落ち込む状況→その気分→気分はどんな思考から来ているのか?」を見ていきました。
しかしここで表現したこと=現在のあなたの思考は絶対的なものではありません。例えば「調子がいい時ならどう考えるか?」「他人がそう考えているとしたらどう思うか?」「5年後、10年後にも同じように考えているか?」を想像してみてください。
おそらく「いや、こうした考え方以外にも別の視点があるんじゃないか?」と思うことでしょう。
次のチェックシートではこうした視点を養うことが目的です。
そのために必要なのが(頭の中の)検事役と弁護士役です。彼らが「あなたの考えを補強する根拠」と「あなたの考えに矛盾する反論」を提出することで、ものごとを相対化して考えられるようになります。
脳内裁判チェックシートに書きこむべきこと
ではさっそくシートを見ていきましょう。

④根拠:この欄には③を裏付ける理由を書きこみます。
この欄には「目に見える事実」だけを書きこんでください。「○○さんはこう思っているはずだ」というような推測や、「△△があったのはこうした理由に違いない」という解釈は避けるようにしてください。
⑤反論:ここには③と矛盾する、あるいは見逃している事実を書き出します。
長い目で見た時にどう思うでしょうか?あるいは他人が悩んでいたとしてどんな言葉をかけるでしょうか?当人の力だけではどうしようもないことを責めてはいないでしょうか?こうした視点から③の思考に反論してみてください。
「私は内向的でいつも損ばかりしてきた」→「世の中の人すべてと仲良くできる人はいない」「少なくとも気心のしれた友人・家族がいる」「内向的だからこそ見えてくる価値もある」「日常のコミュニケーションで他人と問題はない」
3:やわらか思考チェックシートの取説
第2のチェックシートでは、浮かんできた考えに対する根拠と反論をそれぞれ挙げていきました。
さて、このやわらか思考チェックシートでは、根拠と反論をもとにより柔軟で現実的な考え方(⑥やわらか思考)を模索していきます。
そして最後に⑦気分の変化を観察することで、こうした考え方が自分に役立っているかどうかを確認します。
やわらか思考チェックシートに書きこむべきこと

⑥やわらか思考:この欄には、④根拠と⑤反論に書きこんだことを利用して、それまでの考えに代わる柔軟な思考を書きこみます。
もしも④の根拠と見比べてそれまでの考えが的外れだと感じた場合は、根拠にもとづいて新しい考え方を書きこんでみてください。根拠も反論も一理あると思う場合は、両方をまとめたバランスのよい見方を書くようにします。
ここで大事なのは、思いつく限りの考えを簡単にでも書き出しておくことです。
思いついた中には後からみれば役立つ考えもあることでしょう。ところがうつなど強いストレス下にある時は、そうした考えを意味のないものだと判断しがちだからです。
⑦気分の変化:最後のこの欄には気分がどう変化したのかを書きこんでみましょう。
②で書きこんだ気分と比べてどうでしょうか?もしもネガティブな気分が減少したなら、この後もこうした考え方を続けてみましょう。
一方で、もしもネガティブな気持ちが減らないのであれば、別の見方、考え方があるはずです。
それでも不安が晴れない時は・・・
お疲れ様でした。これでワークシートの説明は終わりです。
以上のワークシートをためして気分に変化がない場合は、次のようなことに着目するとよいでしょう。
・①状況や②気分を明確に書き出せているでしょうか?
・③浮かんできた考えには率直な考えを書きこんでいますか?恥ずかしいからと本当の思考を隠してはいませんか?
・⑤の反論を十分に書き出せていますか?反論がなくしてはやわらか思考に結びつかないことがあります。
・⑥やわらか思考は信じられるものですか?そうでないなら反論部分をもう一度見直して、新たなやわらか思考を書き出してみてください。
・それでも問題が解決しない場合、周囲の環境を変えた方が良い場合もありえます。上司や友人、家族等に信頼できる人がいれば相談するのもよいでしょう。
以上で3つのシートの説明は終わりです。
これは心のつまづきポイントを知り、やわらかい思考に辿りつくための一貫した方法です。自分の心・思考の見取り図を作ることで、不安や憂鬱から離れるための道筋が見えてくるはずです。ぜひご活用ください。

ってことで今回のお話はここまで!!ではでは~(*´ω`*)