古代から現代まで。ヨガの起源と歴史をサクッと学ぼう!




やあ、天狗堂です。

ヨガはメリットがいっぱい!やらない理由なんてないよね?でヨガの魅力とメリットを紹介しました。

「ちょっとやってみようかな…」「なんだか興味ある」なんて思った方もいるんじゃないでしょうか。

そもそもヨガってなんだ!? なんの意味があるの?

はい、そうですね。ヨガといってイメージするのは、

なんだか不思議なポーズ

インド発祥らしい

若い女性に人気

一般的に知られているのはこのようなものじゃないかと思います。

これはこれでいいのですが、そもそも何であんなポーズをとるのか?目をつぶって何を考えているのか?気になりませんか?

ここでは「ヨガが何を目指しているのか」「どんな歴史をたどってきたのか」について紹介します。

現在ヨガと言えばフィットネス的イメージでとらえられていますが、これは広いヨガの世界の一部に過ぎません。

ヨガのさまざまな側面を挙げてみると、

  • 誰でも気軽に始められる運動であり、
  • 身体の不調を治す治療でもあり、
  • あるいは人生の意義を探求する生き方でもあり、
  • 肉体と精神に変容をもたらす技術である

と言えます。

ヨガは単なるスポーツや趣味を越えて、あなたに何らかの変化を与えてくれるツールです。そのためには形だけでなく、ヨガが持つ思想性・先人たちの知恵を理解することが大切です。

それではしばらくの間「心と肉体の秘密を探る旅」に出かけてみましょう。

紀元前の世界:古代インドのヨガ

今から4500年前、インドには「インダス文明」と呼ばれる文明が栄えていました。

インダス文明の遺跡、モヘンジョ・ダロからはヨガの座法(アーサナ)や瞑想に似た出土品が発見されています。

このことから、当時何らかの修行法が存在し、それが後にヨガとして確立されていったのではないかと考えられています。

アーリア人とヴェーダの時代

その後、インドにはアーリア人と呼ばれる民族が侵入し、大きな社会的変化が起こりました。

アーリア人の侵入についてはこちらに詳しく書いています。もしよかったらお読みください。

仏教の歴史を学ぶ!バラモン教とアーリア人、カーストの時代

古代のインド亜大陸にやってきたアーリア人。その背景には「馬と鞍」という秘密がありました。インドを征服したアーリア人たちはバラモン教という宗教を生み出し、その世界観に沿った身分制度「カースト制」をインド社会に行き渡らせます。現代まで続くインド世界の源流をご紹介

ヴェーダとウパニシャッド

バラモン教という宗教をつくったアーリア人たちは、紀元前1,000年ごろから紀元前500年くらいにかけて「ヴェーダ」と呼ばれる思想を確立します。

ヴェーダとは「知識・智慧」という意味で、バラモン(神官階級)の間で口伝によって伝えられていました。

このヴェーダはいくつかの種類があり、

サンヒター(本集)

ヴェーダの中心的な部分で、各種のマントラ(讃歌、歌詞、祭詞、呪詞)が書かれている。

ブラーフマナ(祭儀書、梵書)

サンヒターより少し後に成立した、儀式の手順や意味を説明する文書。

アーラニヤカ(森林書)

森の中で口伝によって伝えられる秘密の技術、哲学をまとめた書物。ブラーフマナと後に出てくるウパニシャッドの中間的な位置にあたる。

ウパニシャッド(奥義書)

インド哲学の源流となった、ヴェーダの哲学的な思想をまとめた書物。一番後に成立したことから「ヴェーダーンタ(最後のヴェーダ)」とも呼ばれる。

広い分類ではこのようになります。

社会の変化と仏教の誕生

ウパニシャッドが成立したのは紀元前800~200年頃の間ですが、このころインド社会はゆるやかな成長期にあり、社会や人間観も複雑化していきました。

お釈迦様、そして仏教が誕生したのもこのころの間ですね。詳しくはこちらをご覧ください。

お釈迦様の生誕した時代を僧侶が本気で解説してみる

アーリア人がインドに侵入して数千年。インドの社会もゆるやかに発展していきます。自然との距離が遠ざかるにつれ、人々の意識は自然と人間の内面へ向かっていきます。お釈迦さまが生まれたこの時代はたくさんの思想家が登場し、現代まで続くインド哲学の基礎が形作られていきました。

ウパニシャッドの中ではじめてヨガが言及された

このような社会変化の中でヨガが修行法の一つとして認知されていきます。

ウパニシャッドは紀元前800~200年の歴史の中で、200以上も記されました。その中の一つ、カタ・ウパニシャッドの中にヨガが登場します。

もともとヨガは「(何かを)つなぐ」という意味の言葉でしたが、それが転じて「心を統一する」という意味となり、この時代に修行法の名として定着したのです。

その後、後期ウパニシャッドにはのちのヨーガ・スートラに続く「六つの支則」も登場します。

紀元後:ヨガの教典『ヨーガ・スートラ』の登場

時代は下り紀元後4世紀~5世紀ごろに、ヨガをメインとしてまとめられた書物『ヨーガ・スートラ』が登場します。

著者は聖者パタンジャリ

ヨーガ・スートラは当時数多くあった修行書のひとつで、現在ではヨガの古典としてもっとも広く知られています。

このヨーガ・スートラ。解説書とはいうものの、200あまりの短い断片からなるもので(昔の書物はこういった形式が多いのです)、短歌や俳句集のような文章の集まりとなっています。

この断片は4章に分かれていて、

第1章(51節) – 概要・定義など

第2章(55節) – 禁戒、勧戒、座法、調気法、制感など

第3章(55節) – 凝念、静慮、三昧など

第4章(34節) – 補足など(テキスト)

という分類で構成されています。

ヨガとサーンキヤ学派との深い関わり

このヨーガ・スートラを教典とし、ヨガを実践する思想をヨーガ学派といいます。

このヨーガ学派と深いつながりがあるのがサーンキヤ学派です。

例えるならヨーガ学派は実践のマニュアル、サーンキヤ学派は理論の解説書だと言えるでしょう。

サーンキヤ学派を理論のベースとするのはヨガだけではありません。インドの医学アーユルヴェーダもまた、その背景の一つにこの思想を取り入れています。

アーユルヴェーダの基礎知識についてはこちらもあわせてお読みください。


アーユルヴェーダって何の意味?誰でもわかる基礎知識と歴史

アーユルヴェーダはインド・スリランカなどに伝わる総合医学・生命科学です。肉体の病だけでなく、心の平穏まで含めた「広い意味での健康」をアーユルヴェーダは目指しています。

ここでは大宇宙と人体という少宇宙、空・風・火・水・地という五つの元素、人間が持つ3つの体質といった、アーユルヴェーダの基本的な概念を紹介します。

ヨーガ・スートラの解説書『ヨーガ・バーシャ』

とはいえ、断片からなるヨーガ・スートラだけではあまりにとっかかりが少ないのも確かです。

そこで紀元6~7世紀ごろ、ヴィヤーサなる著者の手によって『ヨーガ・バーシャ』という解説書がつくられました。

以降もヨーガスートラを解説する書物の流れは続き、現在でも多数のヨガ本が出版されていますが、基本的にはこの『ヨーガ・スートラ』『ヨーガ・ヴァーシャ』(あわせてヨーガ・シャーストラとも呼ぶ)といった書物がその源流となっているのです。

古典的なヨガの種類

この時代にはまだ、現代のようなアーサナ(座法)を重視するヨガは誕生していません。

このころのヨーガには、現代ヨガの源流となったラージャ・ヨーガの他にも、いくつかヨガと呼ばれる道がありました。

古典ヨガの種類

カルマ・ヨーガ:行動のヨガと呼ばれ、利益や報酬を求めない無私の心を実践するヨーガ。自分の行いの成果にとらわれるのを止めることを重視しています。

バクティ・ヨーガ:信愛のヨーガと呼ばれ、祈りやマントラをささげることを重視したヨーガ。崇拝と儀式によって、自分の感情を無条件の愛や献身にむかうように変化させます。

ジニャーナ・ヨーガ:知識と知恵のヨーガと呼ばれる、自らの思考と心を用いて真理に至るヨーガ。自分と他人、というような見えない壁を打ち壊すことにより、自分の無知・無明を取り払うことを重視します。

ラージャ・ヨーガ:自分の身体や心のコントロールを目的とするヨーガ。現代ヨガの源流はこのラージャ・ヨーガにあります。直訳すると「ヨガの王様」ともいえるこのヨガは、精神と肉体のエネルギーを転換し、思考の波を制御することを目指します。

紀元後1000年以降:ハタ・ヨーガの登場

およそ13世紀ごろには、身体のコントロールを重視した「ハタ・ヨーガ」が登場します。

ハタ・ヨーガは現在世界に広がっているヨガの源流と呼べるものです。

それまでの瞑想に重点を置いたラージャ・ヨガに比べ、ハタ・ヨーガは座法(アーサナ)と呼吸法(プラーナヤーマ)により重点を置いているのが特徴だと言えるでしょう。

太陽と月、その力を意味する「ハタ」

ハタ・ヨガの「ハ」は、太陽=陽を、「タ」は、月=陰という意味があります。

ようするに両極端に分かれた二つの性質、あるいは「力」という考え方ですね。

一方でヨガという言葉には「結合・つなぐ」という意味があります。

ハタヨーガとは二つの性質、たとえば自分と世界、肉体と精神を結合する、という深い主張がこめられているのです。

ハタヨーガの教典1『ゴーラクシャ・シャタカ』

ハタヨーガの開祖とも呼べるのがインドの聖者ゴーラクシャ・ナータです。

だいたい8世紀ごろからなんとなく存在していた、ハタヨーガ的な修行法を文献としてまとめたのが彼です。

当時のインドに存在していた仏教の一派、密教の理論を取り入れ、それをヨーガと結びつけることによって、この『ゴーラクシャ・シャタカ』が生まれました。

ハタヨーガの教典2『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー』

16世紀に入るとより詳しいハタヨーガの理論書『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー』が登場します。

スヴァートマーラーマという行者によって書かれたこの本は4つの章に分かれ、アーサナ(体位)プラーナヤーマ(呼吸法)ムドラー(印相)ラージャ・ヨーガをそれぞれ解説しています。

近代から現代へ:西洋の鍛錬法を取り入れた現代ヨガの誕生

 

近代に入るとインドは大英帝国によって植民地化されました。

その際、西洋の知識や文物もインドに流れこみ、ヨーガもその影響を受けることになります。

19世紀当時のヨーロッパでは精神や知識だけでなく、肉体も健全でなければならないとする「身体文化」が活発でした。現代のスポーツもこの時代に数多く登場しています。

インドでもこの流れをうけて、ヨーガに西洋風の身体観・鍛錬法が導入されました。

こうして今現在、世界中で親しまれるヨガが登場したのです。

欧米でいち早く広まったエクササイズとしてのヨガ

インドでヨガを修めた人々はそれを伝えるため欧米各国にわたり、現地にヨガ道場を構えました。

欧米ではエクササイズやダイエット目的としての需要が多く、それに合わせ教えの内容も変化していきます。

その中でヨガの重要な教え、その思想や呼吸法といったものが失われた流派も多くありますが、2000年以降のインターネットの発展により古典的なヨガの重要性を見直す動きもあります。

ヨガの歴史のまとめ

いかがだったでしょうか?

これまでに述べてきたヨガの歴史を要約すると、

紀元前:ヴェーダとウパニシャッドの時代。ヨガの源流となる瞑想法が行われていた。

紀元後:ヨーガ・スートラの登場。ラージャヨガの技法がまとめられる。カルマ・ヨーガなどその他のヨーガも。

紀元1000年以後:動的なハタ・ヨーガの登場。より肉体のコントロールを重視した教えに。

近代~現代:ハタ・ヨーガに欧米の鍛錬法が加わり現代ヨガが誕生。欧米から世界各国に広まっている 

となります。

手軽にはじめられることがヨガの魅力の一つですが、今一歩奥深いところを知ろうとするならヨガの持つ思想と歴史性を知ることが必要になってくるでしょう。

今回はこんなところですかな。

ではでは。

 

 







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